バラつきを生成するアルゴリズムは明らかではないが、現場には“標準条件で検査を実施すれば、このような結果が出るはず、という数値を計算する簡易シミュレーター”と見る意識がなかっただろうか。本来の検査を2つの意味に分け、すなわち実質的に品質を担保する検査(常温での検査)と、顧客に提出するための検査に分けたうえ、顧客に提出する検査をシミュレーターで置き換えた、という論理ではないか。
このプログラムができたのは「1990年のこと。誰が作ったかもヒアリングでだいたい把握している」(常務取締役社会システム事業本部長の福嶋秀樹氏)。1990年は「Microsoft Windows 3.1日本語版」の発売よりも前であり、多くの企業でDOSやBASICベースのパソコンが部署に1台あるかないかという時代だ。したがって、少なくと