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山と渓谷社・萩原浩司さんをつくった『瀟洒なる自然 わが山旅の記』 安らかな頂、広がった視界|好書好日

Share  本書は深田久弥晩年の作品で、紀行と随筆が44本、季節に沿って交互に並ぶ。なかでも随筆が面白い。  「山の頂上だけは、安らかに清らかに、そっと残しておきたい。何もおきたくない。小さな石の祠(ほこら)一つで充分である」。そこに、山の頂で巨大な山名標示板に出合った話が続く。すると「壊して燃やしてしまいたかったが、それには頑丈すぎた」などとつぶやくのだ。  年々スポーツ化する登山に対してはこんな一節も。「しかし私は知っている。まだ一本のピトンを岩に打ちこんだおぼえもなく、氷の壁でピッケルを振ったこともないが、空気の甘美に匂う森や原をさまよい、深い谷をさかのぼったり、ヤブを漕(こ)いだり、そして頂上で安らかな憩いを楽しむ人たち、そんな人たちの中に真の意味の登山�

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