内部通報、日本

内部通報、日本郵便の当時の常務が漏らす 「報酬返納」処分へ


 日本郵便によると、福岡県直方市や飯塚市などの約70の郵便局でつくる地区連絡会に所属していた複数の局長が2018年10月、別の局長の内規違反に関して内部通報した。通報された局長の父親は、地区連絡会トップの統括局長(当時)だった。
 調査に当たった元常務は同月、元統括局長に対し「(あなたの息子が)周りの局長ともめているようだ」と、通報者が推測できる内容を伝えたという。
 元統括局長は19年1月、通報者と疑った部下の局長らを呼び出し「(通報者の中に)名前が載っとったら、絶対つぶす」などと脅迫。元統括局長と親しい間柄の局長らも役職辞任を迫るなどし、計9人が停職などの懲戒処分となった。このうち元統括局長は強要未遂罪で起訴され、今年6月に福岡地裁で有罪判決を受けた。
 同社は、元常務が通報者に関する情報を伝えたことは「内部通報制度の趣旨に照らして不適切だった」と認定。報酬減額処分の対象となるものの、既に退任して期間雇用社員として勤務しているため、報酬の返納を求めることにした。当時の同社九州支社長ら幹部5人は指導不十分として懲戒対象と判断、うち現職の2人を訓戒とした。
 この問題を受け同社は9月から、内部通報窓口に外部の弁護士を起用するなどの改善策を実施。通報者保護に重点を置いた組織改編も行うという。
 内部通報制度に詳しい結城大輔弁護士(第二東京弁護士会)は「経営トップに近いコンプライアンス担当役員が通報情報を漏らしたことは、制度の信頼を揺るがしかねない深刻な問題。企業が不正などの情報を得てリスクに対応する唯一の手段が、内部通報制度だということを日本郵便は理解すべきだ」と指摘した。
 一方、旧特定局長らでつくる「全国郵便局長会」は事実上、旧特定局の人事権を持つなど、同社に対して大きな影響力を持つとされる。被害を受けた局長らの代理人を務める壬生隆明弁護士は「元常務は、局長会への配慮から不適切な情報提供を行ったと考えられる。局長会と会社のゆがんだ関係を変えない限り、抜本的な解決にはならない」と語った。 (宮崎拓朗、山口新太郎)

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