児童設立の「株式会社」が販売利益を寄付　Tシャツ534枚販売

　東京都青梅市の市立霞台小学校（佐藤広明校長）の児童が総合学習で「株式会社」を設立し、Tシャツを販売した利益の一部にあたる約5万円を市と市立総合病院に8日、寄付した。
　同小では5年生の総合学習として起業家教育を実施。昨年秋、当時の5年生63人を“社員”として「青梅の魅力を世界にPRする」ことを目的とする模擬株式会社「霞（かすみ）カンパニー」を設立した。実際に株も発行して保護者などから出資を募り、それを元手に自分たちでデザインしたTシャツを作成した。
　当初は市外からも人が集まる今年2月の「青梅マラソン」を中心にTシャツを販売する予定だったが、マラソンはコロナ禍で中止となった。そこで販路を転換し、市の広報誌でのPRやネット通販に注力。その結果、1枚2000円のTシャツを534枚販売することに成功した。
　Tシャツの制作費や株式への配当、さらに“社員”全員への1人500円の給与を差し引くと、約33万円が利益に。利益の配分を全員で話し合った結果、学校で使うテントや図書館の本のほか、社会貢献として市には「子育てや教育のため」、病院には「医療従事者への支援」として寄付を行うことになった。
　8日には、寄付の贈呈式が行われ、浜中啓一市長に「霞カンパニー」から目録が送られた。同カンパニー“社長”の小林莉奈さん（同小6年）は「最初はシャツを売ることしか考えなかったが、それが売れて寄付まで出来てうれしい」と話した。浜中市長は「貴重な寄付、大切に使わせてもらう」と感謝していた。【黒川将光】
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