ヤングケアラー

ヤングケアラー 今がんばっている君へ:若年性認知症の父を支えた26歳 仲間に出会って和らいだ孤独感


2012年に大橋尚也さん(右)が父親と高尾山(東京都八王子市)に登った時に一緒に撮った写真。大橋さんにとって大事な1枚だ=大橋さん提供
 50歳の父が若年性認知症と診断されたのは、中学2年のときだった。父が働けなくなったことを打ち明けると、同級生は「ホームレス予備軍」とからかった。進路相談で家庭の事情を伝えても、高校の先生は「勉強できないのを親のせいにするな」と一蹴した。「誰も理解してくれない」。身の上を話すのが怖くなり、孤独を一人で抱え込んだ10代のころ。成人して参加した当事者団体で、自分がヤングケアラーと呼ばれる存在だったこと、ケア負担の重さに共感してくれる仲間がいることを知った。大学生の大橋尚也さん(26)が、いま渦中にいる子どもたちに伝えたいのは「君は一人じゃない」ということだ。【三上健太郎/デジタル報道センター】
会社をやめ、引きこもった父
 厳しくも、優しい父だった。若い時にサッカー、水泳、テニスなどのスポーツに打ち込んで体力があった。アウトドアが好きで、一緒に川に出かけては魚を釣ったり、たき火を楽しんだりした。
 そんな父が一変し、言動は粗暴に。夜中に突然、母の胸ぐらをつかんで2階のベランダから突き落とそうとして、大橋さんが慌てて止めに入った。部屋で勉強していたら、まだ午後10時前なのに「誰の断りを得てこんな時間に起きているんだ」と殴られたこともある。それでも、翌日には何事もなかったようにけろっとしていて、前日の出来事は覚えていないようだった。
 母(59)の収入はあったが、父が働かなくなったことで一家は経済的に困窮した。電気やガスなど公共料金の支払いが滞り、ろうそくの明かりで一夜を過ごしたことも。父の様子を聞いた近所の人が「病気じゃないか」と助言してくれた。心療内科を受診し、うつ病と診断された。
 「父の異変は、病気のせいだったのか」。原因が分かって納得した。「怒らせずに普段通り生活するには、どうしたらいいだろう」と、父を散歩に連れ出したり、夜中ずっとテレビゲームをしている父と一緒に遊んだりして、父になるべくストレスがかからないようにと寄り添うと、父は落ち着くようになった。やがて、そうした見守りが日常になった。
父は若年性認知症、余命10年
 正しい病名が分かって安心したのもつかの間、医師が続けた言葉に頭が真っ白になった。「今の医療技術では治せないのです。若年性だから進行も早い。だいたい6~8年。10年もてばいい方です」。病名とともに告げられた余命。長くても父とは10年しか一緒にいられない。残された時間を大切にしようと決めた。
無理解な周囲
幼いころ父親と遊んだ公園の遊具を見つめる元ヤングケアラーの大橋尚也さん=東京都内で2021年6月11日、大西岳彦撮影

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