夕刊連載小説「

夕刊連載小説「水車小屋のネネ」はこんな物語 1日スタート


 7月1日から夕刊連載小説「水車小屋のネネ」がスタートします(月~土。祝日を除く)。書き手は、芥川賞作家の津村記久子さんです。物語の主人公は、小学3年生の律とその姉で18歳の理佐。冷淡な親から逃げて山あいの町にたどり着き、見ず知らずの隣人らに見守られながら大人になっていく――。そんな2人の歳月を描きます。【平林由梨/学芸部】
家出姉妹のたどり着いた町
 姉妹は母子暮らしでしたが、母には婚約者がいて自宅に来ては妹の律を閉め出します。それを知った姉の理佐は、姉妹2人で家出する決意をします。おまけに母は理佐が短大へ進学するための入学金を使い込んでいました。姉妹は持てるだけの荷物を抱えて特急電車に乗ります。
 姉妹が特急に乗ってたどり着いたのは、雪を頂く山々を遠くに望み、渓谷が連なる小さな町。常に清流の音が聞こえてきます。理佐はそば屋で働き、律を小学校へ通わせます。
 津村さんにとってこの風景を描くことが、この長い物語に取り組む心の支えになっています。水車の働きが面白く、さらにすがすがしい景色の描写も注目ポイントのひとつです。

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