小便器はTOTO (大鷲マーク東洋陶器) の朝顔形小便器U23とLIXIL(INAX・inaマーク) のU-15 (TOTOのU23に相当) を使用していました。洗浄装置はハイタンクによる一斉自動洗浄でした。手前は後年になって取り替えられて、INAX製のものが入ったのではないかと思われますが、inaマークのものが入っていることから考えると遅くとも36年以上前に取り替えられたことになります。
U23と仕切板A100には大鷲マークが刻印されていました。先述したよう、大鷲マークは1961年末まで使用されたことになっており、1962年1月からはToyotokiマークが使用されたことになっていますが、よく考えると1961年に完成した旧東芝科学館のトイレでは、ToyotokiマークのC48が使用されていたことを他者動画より、確認しており、筆者も1961年竣工の沖縄のホテルで、Toyotokiマークの器具が使用されていることを確認しているので、1961年の時点でToyotokiマークが使用されていたということになります。
つまり、大鷲マークの衛生陶器は今年ですべて還暦を迎えることになります。
小便器洗浄用のハイタンクはTOTO (Toyotokiマーク) のS28Nを使用していました。
日本陶業の旧ロゴです。このロゴマークよりさらに古いと思われるロゴマークも確認しているので、1940年代ごろ~1960年代前半ごろにかけて使用されていたのではないかと思われます。1960年代前半ごろに筆記体のnittoマークに切り替わったのではないかと思われます。
【コメント】
岡ビル百貨店はほかの百貨店でもそこまで見ない竣工当時の設備やレトロな看板など貴重なものがのこされた建物で、特に百貨店ではトイレなどは改修されるところが多いですが、ここではトイレも一部の器具は取り替えられていたものの、ほとんど当時から変わっておらず、まさに"歴史的設備の宝庫"ともいうべき建物でした。残念ながら、「キッチンこも」で食事をすることはできませんでしたが、見物できる間に当施設を自力で見ておいてよかったと思っています。私的にはほかにも自力で訪れた、神奈川県の旧小田原市立図書館や兵庫県の旧宝塚ホテルとおなじくらい素晴らしい建物だと感じました。両施設も老朽化を理由に昨年3月に閉鎖されましたが、3施設とも、自力で見物しておいてよかったと思っています。
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