彼女は昨年、新型コロナで休校になったことをきっかけに、家にいる時間を利用して自分で農園を作り野菜の栽培を始めました。1年目はラディッシュとわさび菜、小松菜。そして今年はタマネギとジャガイモ。ジャガイモは、はるか、シャドークイーン、インカのめざめなど数種類を育ててくれました。
自分が作った野菜がどうやって消費者の元に届くのか。「作って終わりではなく、出口まで教えられたら」というご両親の考えもあり、昨年から私の店に置き、お客さまに自由に持ち帰ってもらうようにしたのです。
経験したことがある方なら分かると思いますが、農作業は本当に大変な仕事です。私も少しばかり手伝ったことがありますが、1日で音を上げてしまいました。大人の私がそうだったのですから、いくら両親のサポートがあるとはいえ、小学生にとっては大変な作業だったでしょう。
地方に暮らしていると当たり前のように新鮮な野菜を買えたり、もらえたりします。幸せな環境がいつしか日常になり、食べるときに作り手のことを考える機会が少なくなってはいないでしょうか? おひな野菜を手に取ると小さな生産者が一生懸命育ててくれた様子が目に浮かび、より一層大切に食べようと思わせてくれます。そして生産者さんへの感謝の気持ちを思い起こさせてくれるのです。
だからこそ、実際に食べてみてその感想を本人に伝えたい!とメッセージをいただいたり、調理した写真を送っていただいたりと、大きな反響がありました。
私もおひな野菜を通してたくさんの学びがありました。手に取っていただいたお客さまと交流を持てたことや、地元のお子さんのすてきな取り組みを応援する場を提供できたことなどです。
おひな野菜もまた来年、多くの方に手に取っていただけるように願っています。
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