本作は、『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(16年)の直後、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(18年)の間の空白の時間に起きていた物語。アベンジャーズと離れたブラック・ウィドウ=ナターシャ・ロマノフは、その身を隠して暮らそうとしていたのだが、その矢先、戦う相手の能力や技をコピーし、自らの武器とすることができる“タスクマスター”に突如襲われる。それによってあることに気づいたブラック・ウィドウは、かつての“家族”と再会し、自身の過去に隠された陰謀に決着をつけるため、戦うことになる。
アベンジャーズを「家族」と呼ぶブラック・ウィドウにとっての、かつての“家族”として、本作に“妹”エレーナ、“母”メリーナ、そして原作コミックでは“ロシアのキャプテン・アメリカ”と呼ばれる“父”アレクセイ=レッド・ガーディアンが初登場。中でもブラック・ウィドウの過去をひも解くために、重要な役割を担っているのが、“妹”エレーナだ。本作においてこの“姉妹”の関係は物語に大きく影響しており、ケイト・ショートランド監督も「妹の存在がブラック・ウィドウの心を開かせるカギになっている」と明かしている。
本作でブラック・ウィドウは“妹”と再会することで、なぜ自分は暗殺者になったのか、自身の過去と向き合うことになる。ショートランド監督は「ブラック・ウィドウは“妹”と再会することで過去の自分を見つめ直し、観客は彼女の心の中へ入ることができるの。彼女と観客は一緒に心の旅をすることになるわ。そこでブラック・ウィドウは自分がマイナスと感じている過去を許すことができるようになる」と、2人の再会が本作の物語に与える影響について語っている。
並外れた身体能力を持ちながらも“人間”であるブラック・ウィドウ。過去作ではスパイになるために過酷な訓練を受けてきたこと、不妊手術を受けていることが断片的に明かされてきたが、『アベンジャーズ/エンドゲーム』で仲間のために自らの命に関わる衝撃の決断を下すに至った理由はわからないまま。しかし、本作で“姉妹”が再会することによって、ブラック・ウィドウの心の深い部分まで入り込むことができ、彼女を思いを察することができる。この物語の中で描かれる“姉妹愛”が、やがてブラック・ウィドウが下す笑撃の決断にどうつながるのか。さらには、今後のマーベル作品にどのような影響を与えるのか。マーベル・スタジオの社長ケヴィン・ファイギは「本作を見ると『アベンジャーズ』シリーズの見方が変わる」と、断言している。
ブラック・ウィドウ役は、初登場した『アイアンマン2』(10年)から10年以上演じ続けてきたスカーレット・ヨハンソン。そして、“妹”エレーナはハリウッドの期待の新星フローレンス・ピューが演じている。
ピューは『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』でアカデミー賞にノミネートされ、ブラック・ウィドウ演じるスカーレット・ヨハンソンからもその才能を大絶賛されている注目の若手。ブラック・ウィドウと同等の戦闘能力を持つ“妹”の本作での役割について、ピューは「エレーナはナターシャの欠点のすべてを指摘する、若くて生意気な妹なの。私たち“姉妹”はお互いから過去を明らかにするのよ。ナターシャが過去について考えるのを助けののがエレーナの立場よ」と明かした。“姉妹”の関係については「これは間違いなく、2人の姉妹が一緒になり、お互いをムカつかせて、お互いをすごく愛するというストーリーなの。この“姉妹”の物語はとても深いところまで描かれているのよ」と語り、本作では2人の間にある“姉妹愛”が見どころであることは間違いないようだ。
ブラック・ウィドウの過去を知る“妹”エレーナをはじめ、再会した“家族”に何が起こるのか? ブラック・ウィドウが背負い続けてきた過去が明らかになる本作に、期待が高まるばかりだ。
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