「心肺停止をした直後、救急病院に搬送されたときが本当にしんどかったです。夫が何か嫌なことを訴えていそうな表情やしぐさをしているのに、何もわかってあげられない。それを痛感するときがしんどかったですし、夫に申し訳なさも感じていました」
「毎日疲れるでしょう、倒れちゃうんじゃない?」「気分転換をしたほうがいい」といった知人たちからの言葉やアドバイスに、初めは深く考えすぎてしまうことも多かった。「自分は本当に倒れてしまうのだろうか…好きで毎日病院に通っているのに…」と思い悩むこともあったが、気持ちを切り替えるきっかけになったのは、そらさんの周囲にいた医療従事者たちの言葉だった。
漫画では「そらさんの直感を信じて行動していい。患者さんのことを一番よくわかっているのは、ずっと一緒にいた家族だと思います」と声をかけてくれた理学療法士さんの言葉や、夫・ぼくちんさんのことを考えて、そらさんと一緒に試行錯誤する病院スタッフたちとのやりとりなど、様々なエピソードが描かれている。
「漫画には『これからも患者さんに向き合って仕事を頑張ります!』といった医療従事者の方々からのコメントもいただけて、とても嬉しく思いました。私は医療従事者の方々に相談できる機会が多々あり、アドバイスをもらいながらお世話ができています。でもそれがなければ知らないことも多かったと思ったので。私の経験が誰かの役に立てばと、コロナ禍で夫に会えない分、夫のことを想いながら漫画を描くことにしました」
■病院へは感謝の想い「色々な経験や体験や勉強をさせてもらえている」
「コロナ禍で会えなくなってからは、正直生活に張り合いがなくなってしまいました。大切な人が病院や施設などに居て、ずっと会えてない状況の人も私と同じ気持ちだと思いますが、早く会えるようになるために、コロナが終息してくれたらなと毎日思います。時々リモート面会をしてもらえるのがとても嬉しいのと、忙しいなか、リモート面会の準備をしてくれる病院にとても感謝しています。夫が病気になったのは本当に辛いことだったのですが、病気になったことで色々な経験や体験や勉強をさせてもらえているなと感謝もしていますし、『毎日変わらずに過ごしていてくれてありがとう』とも思っています」
投稿される漫画では、現在病院生活2年目の話を描いている。7月21日には、これまでのエピソードを書籍化した『推しは目覚めないダンナ様です ~低酸素脳症になってからの病院生活~』(幻冬舎コミックス)が発売となる。
「私が夫に癒しをもらったり、『頑張ろう!』と思わせてもらったりしていることを漫画にして、読んでいただいた方が癒されたり頑張ろうと思っていただけたりすると有難いです。インスタグラムでは病院生活2年目のおはなしを描いているんですが、1年目の時と変わらず、誰かの何かのお役に立てたらいいなと思っているのと、医療従事者の皆様への感謝の気持ちもお届けできたらいいなと思ってます」
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