東宝がゲームレ

東宝がゲームレーベルTOHO Gamesを設立。映画事業の雄が『ゴジラ』3タイトルを擁してゲームビジネスに参入する理由をキーパーソンに聞く


東宝がゲームレーベルTOHO Gamesを設立。映画事業の雄が『ゴジラ』3タイトルを擁してゲームビジネスに参入する理由をキーパーソンに聞く
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 配信元はTOHO Games(トウホウ ゲームス)。東宝がゲーム事業に注力すべく、この2021年に設立したゲームレーベルだ。大手映画配給会社として知られる東宝は、なぜゲーム事業を立ち上げたのか、東宝 常務執行役員 映像本部 映像事業、デジタル・コンテンツ各担当 兼 チーフ・ゴジラ・オフィサー(CGO)の大田圭二氏と、各タイトルのプロデュースを務める、映像本部 映像事業部 映像企画室 企画制作グループ エグゼクティブプロデューサーの塩入大介氏、同プロデューサーの大槻林太郎氏、澁澤匡哉氏にお話を聞いた。
大田圭二氏(おおた けいじ・写真右端)
(文中は大田)
『ゴジラ』というIPの魅力を訴求するために、魅力的なゲームを提供したい
 たとえば、新海誠監督とごいっしょさせていただいたり、週刊少年ジャンプ作品である『
 その中で、唯一欠けていたピースがゲーム事業でした。もちろん、他社様にライセンスを提供してゲームを出してもらってはいたのですが、自分たちが主体的に手掛けてはおりませんでした。ゲーム市場は成長しているので、「何とかしなければ」との認識はあったものの、なかなかきっかけがつかめないという状況でした。
――それがなぜこのタイミングで立ち上げることになったのですか?
今年の『ゴジラ』IPと言えばこのタイトル。7月2日から劇場公開される映画『ゴジラvsコング』。42の国と地域でNo.1になった話題作がついに日本上陸。コジラとコング勝つのはどっち?
――ちなみにいつくらいからゲーム事業を始動されたのですか?
大田大きかったのは、“Google Play Indie Games Festival 2019”に参加させてもらったことですね。そのときに、集英社さんやエイベックスさんといっしょに“ゴジラ賞”を提供する形で関わらせていただいて、『ゴジラ』のゲームを作ることに決めました。そこで受賞したのがホカマ・フミシゲさんで、その流れでできたのが、6月3日に配信された『RUN GODZILLA(ラン ゴジラ)』です。
――ゲーム事業に参入したのは、ある程度いけるという手応えがあったからなのですね。
 ただ、誤解しないでいただきたいのですが、私たちはゲーム会社になろうとしているわけではありません。『ゴジラ』やアニメのIPでゲーム展開することを想定しており、オリジナルで何かをするということは基本的には考えていません。ゲームの世界をものすごくリスペクトしていますし、ゲームにおいて私たちの力をいちばん発揮できるのが、私たちの得意なIPのゲーム化ではないかと思っております。
――アニメのIPとおっしゃりましたが、TOHO Gamesでは『ゴジラ』以外のIPのゲーム化も予定しているのですね?
大田まだ発表できる段階ではありませんが、予定しております。
 お客さんの声を聞くことは大事だと思っています。アニメでもいっしょなのですが、ニーズに合致したイベントを開催したり、声優さんの求められているポイントを打ち出したりするとファンの方に喜んでいただけます。たとえばですが、“このキャラクターはこのポジションに置いたほうがいい”といったことなどもプロデュースしながらやっていきたいです。
――なるほど……ファンの好みを知り尽くしたコンテンツを作るということですね。それでいうと、知り尽くしている自社IPだからこそ、ファンの期待を裏切れないということは言えそうですね。
大田そうですね。そこの難しさはあると思います。ファンの方たちは、とにかくIPに対してある基準を設けていますからね。『ゴジラ』に関して言えば、そういうところをしっかりと監修しているのが“ゴジラルーム”です。フィルムや声、音楽なども含めて、細心の注意を払っています。
――それは『ゴジラ』ゲームに限らず、TOHO Gamesのゲーム作り全般に該当する方針とも言えそうですね。
大田そうですね。私たちは、ファンにIPの魅力を伝えていきます。さらに言えば、それはゲームの魅力でもあります。ゲームのデザインやゲーム性が(IPを)裏切ってはいけないと思うので、そこはきっちり伝えていきたいです。
――IPの魅力を伝えるためには、ゲームとしての魅力も伝えなければならないということですか?
――そのへんのIPに対するさじ加減は、もしかしていままでIPを展開されて導き出された答えと言えるのですか?
大田そうですね。『ゴジラ』の普遍的なよさと、変えてもいいところをずっと考えたとときに、“守るべきこと”と“壊すべきこと”はこうだというのが核としてあって、“これだけは守ってほしい”ということをきっちりと決めたんです。「これは初代『ゴジラ』から、根底としてあることなので守ろう」というポイントですね。そこさえ守っていただければ、ある程度は改変していただいても結構です、というスタンスですね。
 今回のゲームでもその方針は当てはまっていて、ホカマさんの作った『RUN GODZILLA(ラン ゴジラ)』なんて斬新ですよね。『ゴジラ』で“育成&レース”ですよ(笑)。
――そのフレーズを聞くだけでもおもしろそうですね(笑)。
大田みんながゴジラに祈って力を付けていくというおもしろさです。ビジュアルを見ただけでも興味をひきます。
 アクションシューティングの『GODZILLA DESTRUCTION(ゴジラ デストラクション)』やリアルタイムストラテジーの『GODZILLA BATTLE LINE(ゴジラ バトルライン)』も、それぞれ魅力があります。それぞれが『ゴジラ』のよさを持ちながらも、違う楽しみかたをしてほしいという思いのもとに作りました。
――今回3タイトルを一気にリリースされたのには、びっくりしました。
――TOHO Gamesを立ち上げて、『ゴジラ』のタイトルを作ろうとなったときに、アイデアが溢れた印象ですね(笑)。
大田そうですね(笑)。“Google Play Indie Games Festival 2019”で“ゴジラ賞”を受賞したホカマさんに作っていただくタイトルはマストとしてあって、ほかにもいくつかアイデアが持ち上がって、1本に限る必要はないのではないかと考えました。『ゴジラ』の映画も、ハリウッドだったら3年に1本とかのペースですし、毎日短い時間でも『ゴジラ』を感じてほしいので、テーマは“毎日ゴジラ”です(笑)。
――ところで、TOHO Gamesではスマホ以外での展開は予定していますか?
『ゴジラ』IPといえば、アニメファンならこちら。新しい『ゴジラ』の可能性を見せた『ゴジラS.P<シンギュラポイント>』。
大田それは、いろいろな角度での捉えかたがあると思います。手前味噌になってしまって少し気恥ずかしいのですが、アニメの企画制作を例に挙げると、“このクリエイターで、このスタジオで、この監督で、このアニメーターにお願いしよう”といった、プロデュース能力が非常に高いということはあると思います。そして宣伝がうまい。ネタの見つけかたというのがいちばんですけど、漫画からアニメ化への際に価値を一層上げていく取組ができていることが、版元さんやゲーム会社さんなどから信頼を得ているのかなと思います。
 あとは、お客さんも喜んでくださっているので、そこがうれしいですね!
――適材適所というやつですね。
――チーフ・ゴジラ・オフィサーとしてのゴジラの位置づけというのは?
――強いて言えば、「ゴジラとは何ですか?」と聞かれて、ひと言では答えられないようなミステリアスなところがゴジラのゴジラたるゆえんということが言えるんですかねえ。
――だからこそ、世界中の人が心惹かれるというのはあるかもしれないですね。
【Part II】プロデューサー/塩入大介氏、大槻林太郎氏、澁澤匡哉氏
――『ゴジラ』の3タイトルを一気にリリースということで、どのような形でプロジェクトは進んでいったのですか?
塩入東宝では、2018年くらいから、“『ゴジラ』を活用したゲームを作る”ということで、いろいろな準備をしていました。そんな中、さきほど大田がお話した通り、“Google Play Indie Games Festival 2019”に参加させていただく機会があって、“ゴジラ賞”として、『ゴジラ』というIPを使ってゲームを作っていただくことに対して制作支援をさせていただくことになったんですね。そこで受賞したのがホカマ・フミシゲさんです。ただ、1本に限定する必要もなくて、いろいろな遊びかたや楽しみかたができる『ゴジラ』のゲームを出すことでもいいのではないかということで、3タイトルになりました。
――3タイトルを作るとなると、『ゴジラ』というIPで差別化することはたいへんだったのではないかとも思うのですが、調整などでは苦労されたのですか?
塩入そこは、正直に言って、そこまで苦労したわけではないですね。
澁澤調整でケンカはしてないですね(笑)。最初に動き始めた『RUN GODZILLA(ラン ゴジラ)』に関しては、“Google Play Indie Games Festival 2019”で“ゴジラ賞”を受賞したあとにホカマさんとやり取りをしていて、“ゴジラを走らせてみたらどうでしょう?”というアイデアをいただきました。「ゴジラは競走馬みたいに調教できない。育成しても、きっと思ったようには走ってくれない。でも“思ったように育たない”のは怪獣らしい。ある種の理不尽さや、怪獣という存在へのリスペクトをゲームシステムに盛り込めないか」といったメモが添えてあって、大田も含めて「これは新しい!」と驚いて、すぐに企画が始動したんです。
『RUN GODZILLA(ラン ゴジラ)』はゴジラを育成してレースで走らせるという、“ゴジラ放置育成ゲーム”。
「『RUN GODZILLA(ラン ゴジラ)』はゲームの要素もシンプルで楽しめるので、女性の方にもぜひ遊んでほしいと思っています」(澁澤氏)
大槻僕がTOHO Gamesにジョインしたときに、もう少しバラエティーに富んだタイトルを複数出してみてもいいのではないかという話があり、いろいろな怪獣を戦わせるゲームをやりたい……ということで、企画を出しました。
――なぜ『ゴジラ』の対戦型ゲームにしようと思ったのですか?
――『シン・ゴジラ』とスペースゴジラがバトルするのですか?
『GODZILLA BATTLE LINE(ゴジラ バトルライン)』はシリーズの人気怪獣が勢揃いした対戦ゲーム。チームバトルで全世界のプレイヤーと戦う。怪獣は続々と追加予定とのこと。
「『GODZILLA BATTLE LINE(ゴジラ バトルライン)』は、『ゴジラ』を知らない人でも楽しめるようになっているので、ぜひ手に取っていただけるとうれしいです」(大槻氏)
 それは日本だけに限らなくて、ゴジラになって街を壊すというのは、世界の多くの方にとっても楽しさにつながるのではないかと思ったんです。むしろ、“ゴジラになる”ということの王道はそちらに近いのではないかと。それで、できたのが『GODZILLA DESTRUCTION(ゴジラ デストラクション)』です。
 3タイトルを並べたときに、ジャンルに多様性があって、いろいろな遊びかたをチョイスしてもらえるラインアップになっていると自負しています。3タイトルで差別化に困ったということはないです。
「『GODZILLA DESTRUCTION(ゴジラ デストラクション)』は、隙間時間にシンプルで遊びやすいゲームになっています。『ゴジラ』ファンや怪獣ファンの人以外にも、たくさん遊んでもらいたいというテーマで作ったので、ぜひたくさんの人に手に取ってもらいたいです」(塩入氏)
――いきなりゲームを作るとなって、とまどいはなかったのですか?
澁澤人材もまだまだ足りていませんね(笑)。
――(笑)。ちなみに映画業界と比べて、違うや気付きはあったりしますか?
塩入批判的なことはとくにないのですが、文化の違いは、取り組み始めた当初からやはり感じることはあります。映画もアニメ作品も完成品というか、納品されると“完成物”として固定されますよね。それは、世の中に出る前に固定されます。それがゲームだと、スマートフォン向けゲームの場合はとくに顕著なのですが、リリースしても完結も完成もしていないですよね。その後もずっと続きますし。それは文化の違いとして大きくあるなと思っていて、東宝は映画の会社なので、これまで完成されて完結している物語や作品を取り扱ってきたのですが、ゲームはそうではないので、“リリースされても続いていく”という、未知の領域に対する慣れない感覚は、けっこうありました。
――それは非常に興味深いですね。完結しないことへの不安みたいなものがあったりするのですか?
塩入不安というよりは、いままではリリース前に全部完結していた側からすると、運営コストなり、継続的な開発費も掛かってくるということのビジネスモデルが想像しにくいというのがありますし、「ずっと完成しないというのはどういうことなんだろう?」という疑問も当然あります。ゲーム業界の方とお話をさせていただくと、よく“拡張性”という言葉が出てきたりしますね。それは映画にはないとは言わないのですが、“1本の映画を作り切る”という感じは強いです。ゲームでは、拡張性のあるコンテンツがつながって枝葉になるように考えられて作られているので、そういうところが文化的には違う点ですね。
――先ほどのお話にあった、『GODZILLA BATTLE LINE(ゴジラ バトルライン)』に『シン・ゴジラ』のゴジラが追加されるのも、まさに“拡張性”ですね。
澁澤映画の世界では、「お客さんに観ていただいて初めて作品だ」とよく言うのですが、ゲームの世界でも本当にそう感じます。それは舞台や演劇とも感覚的に近くて、毎日毎日違うものがお客さんに届いて、お客さんの反応があって、作品として成り立つというか……。今回は海外も含めて3本一気に出したので、ダイレクトに世界中から反響があるわけです。朝の5時に星が5つついたり、お昼過ぎに星がひとつついたり……。そういった醍醐味が24時間毎日感じられて、ゲームのおもしろいところだなと思いました。
――醍醐味はありそうですね。先ほど、大田さんがTOHO Gamesがすぐれているところはプロデュース能力が長けているところだとおっしゃっていたのですが、プロデュースという見地から、今回の作品でとくに意識されたことは何ですか?
塩入東宝全体としてのプロデュース能力はある程度熟していると思いますが、自分自身はプロデュース能力がすごいとは考えていないです。ただ、僕が今回担当させていただいた『GODZILLA DESTRUCTION(ゴジラ デストラクション)』に限定すると、“とにかくシンプルで分かりやすくて、だけど爽快感があるゲームにする”という、そこだけにはこだわっています。本作では、ゴジラが戦車や戦闘機といった兵器と戦うのですが、ゴジラが倒すので爽快感があることを大事にしつつも、ステージが進むにつれて難しくしていかないといけないので、そのバランス調整には時間をかけましたね。そこは、開発の方々と時間を割いてお話したところです。まあ、プロデュース能力がすごいという話にはつながらないかもしれませんが、そういうところには気を付けましたね。
――開発陣とビジョンを共有するというのは、プロデューサーとして大切なことかもしれません。
塩入Nobollelさんです。いろいろな開発会社さんから熱烈なご提案をいただいたのですが、いちばん熱意があったので、決めさせていただきました。
塩入氏。好きな『ゴジラ』作品は『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』(2003年)。「3式機龍がかっこよかったから」とのこと。
――澁澤さんはプロデューサーとして、『RUN GODZILLA(ラン ゴジラ)』で注力したポイントは?
澁澤これは『シン・ゴジラ』など映画製作で経験したことが糧となっているのですが、本作をひとりでお作りになった“監督”のホカマさんに、いかにストレスなく作っていただけるか、暴れてもらえるかというところを意識していました。クリエイティブに関してはホカマさんがすべて、細部に至るまでいろいろなこだわりを込めて作ってくださったので、僕としては『ゴジラ』の世界観や価値観からはみ出ないように、「ここだけは守ってほしい」といったところだけ、手綱を締めるという感じでした。
――はみ出さない領域というのがあるんですね。
 いままでの『ゴジラ』のDVDを全部お送りして観ていただきました。
澁澤アニメも含めて『ゴジラ』作品34本を全部観て�

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