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どうしても胸の高鳴りを抑えられない。夢にまで見た真夏の祭典を前にし、佐藤輝は興奮していた。「すごいピッチャーばっかりなので、ホームランを打てるように頑張ります」。全国のファンに夢と感動を。全球フルスイングで一発を狙う。
球宴ファン投票でセ・リーグの新人では史上初のリーグ最多得票となる４３万５６０５票を獲得し、選手間投票も併せて外野手部門で初選出。「自分の持ち味を出せるように楽しみたいと思います」と心を躍らせる怪物は、対戦したい投手に今季３９試合連続無失点の新記録を樹立した平良を挙げた。
交流戦では球宴と同じメットライフドームを舞台に２度の対決で２三振。５月２８日・西武戦で３本塁打の離れ業をやってのけた背番号８だったが、大ファンのももいろクローバーＺ・高城れにが来場した翌日の同戦では右腕の前に３球三振。カッコイイ姿を見せられず苦杯をなめただけに、リベンジの思いは強い。
そんな２２歳の“バイブル”は現在、米メジャートップの３３本塁打をマークしている大谷翔平だ。「打球速度がやっぱり速いですよね。前に飛べば長打がすごい多くて、ほとんどホームランみたいな。打てばホームランみたいなところがあるので、すごいなと思います」と羨望（せんぼう）のまなざしを向ける。
日頃から大谷の打撃をチェックし、球宴前日のホームランダービーも目に焼き付けた。「打球速度を上げてホームランを打ちたいので。どうやったら打てるのか、もちろん大谷選手のバッティングとかを見ながら考えています」。本塁打競争にも出場する佐藤輝が目指すのは、２０１６年の大谷（日本ハム）以来となる本塁打競争優勝＆オールスターＭＶＰの“２冠”だ。
１７日に楽天生命パーク宮城で行われる第２戦には「６番・右翼」で先発出場する。宮城県在住の祖父母も応援に駆けつける予定で「しっかり打ちたいです」と気合は十分だ。一発を放った後のＺポーズは「やるかも分からないです」と笑った怪物。１９年・近本以来５人目となる新人本塁打を、ファンは待っている。続きを見る
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