2020年 コロナ禍が中

2020年 コロナ禍が中堅・中小企業のセキュリティ/運用管理/バックアップ対策に与える影響


2020年 コロナ禍が中堅・中小企業のセキュリティ/運用管理/バックアップ対策に与える影響
ノークリサーチは新型コロナウイルスや働き方改革などの影響を経て、中堅・中小企業のセキュリティ/運用管理/バックアップ対策に関する現在の考え方がどうなっているか?を調査し、その結果を発表した。
■守りのIT対策におけるソフトウェア関連の拠出費用は組立製造業で高く、建設業では低い
■アプリケーションのセキュリティ対策ニーズは「社員教育」や「事後対策」へと範囲が拡大
PRESS RELEASE(報道関係者各位) 2020年12月24日
調査設計/分析/執筆: 岩上由高
ノークリサーチ(本社〒160-0022東京都新宿区新宿2-13-10武蔵野ビル5階23号室:代表:伊嶋謙ニTEL:03-5361-7880URL:http//www.norkresearch.co.jp)は新型コロナウイルスや働き方改革などの影響を経て、中堅・中小企業のセキュリティ/運用管理/バックアップ対策に関する現在の考え方がどうなっているか?を調査し、その結果を発表した。本リリースは「2020年版中堅・中小企業のセキュリティ・運用管理・バックアップに関する今後のニーズとベンダ別導入意向レポート」のサンプルならびにダイジェストである。
<守りのIT対策は中長期的な「方針」と直近の「ニーズ」を分けて捉えることが大切>
■守りのIT対策におけるソフトウェア関連の拠出費用は組立製造業で高く、建設業では低い
■アプリケーションのセキュリティ対策ニーズは「社員教育」や「事後対策」へと範囲が拡大
対象企業: 年商500億円未満の中堅・中小企業1300社(日本全国、全業種)(有効回答件数)
対象職責: 情報システムの導入や運用/管理または製品/サービスの選定/決済の権限を有する職責
調査期間: 2020年7月~8月
■守りのIT対策におけるソフトウェア関連の拠出費用は組立製造業で高く、建設業では低い
新型コロナウイルスに起因する在宅勤務の取り組みや、働き方改革に伴う長時間労働規制(中小企業庁の定義における中小企業への適用開始は2020年4月)など、2020年は中堅・中小企業のIT活用に大きく影響する事象が相次いだ。そこで忘れてはならないのがセキュリティ/運用管理/バックアップといった守りのIT対策だ。今後も人材不足が続くと予想される中堅・中小企業にとって、新しい生活様式や働き方改革は一過性のものではなく、限られたリソースを最大限に活かす取り組みへの継続的な動機となる。こうした取り組みを安全/円滑に支援するため、IT企業としても守りのIT対策の動向を理解しておくことが大切だ。以下のグラフは年商500億円未満の中堅・中小企業1300社に対して、セキュリティ/運用管理/バックアップを担うソフトウェアの製品/サービスを利用する上で拠出可能な年額合計費用(ハードウェア/OS/ファームウェアに関する費用は除く)を尋ねた結果を業種別に集計したものだ。IT関連サービス業を除いた業種の中では、組立製造業が相対的に高く、建設業が低くなっていることがわかる。守りのIT対策は業務アプリケーションのように業種毎にソリューションが分かれているわけではないが、実際はこうした業種毎の傾向を踏まえておくことも大切だ。次頁以降では、本リリースの元となる調査レポートの中からエンドポイントならびにアプリケーションの守りのIT対策に対する中堅・中小企業の考え方を分析した結果の一部をサンプル/ダイジェストとして紹介している。
■エンドポイントにおける直近のニーズは「在宅勤務」だが、「ベンダ集約」への留意も必要
本リリースの元となる調査レポート「2020年版中堅・中小企業のセキュリティ・運用管理・バックアップに関する今後のニーズとベンダ別導入意向レポート」では、以下に列挙したような様々な選択肢を設けてエンドポイントの守りのIT対策に関する中堅・中小企業の方針やニーズを集計/分析している。
エンドポイントの守りのIT対策に関する方針
従業員を狙った標的型攻撃への対策 以下のグラフは上記の方針/ニーズを尋ねた結果を中堅・中小企業全体で集計したものだ。
IT企業では新型コロナウイルスに起因する在宅勤務の取り組みが進んでいるため、ベンダや販社/SIerは「一般の中堅・中小企業においても、エンドポイントに関する守りのIT対策方針には新型コロナが大きく影響している」と考えがちだ。だが、グラフの緑帯と赤帯が示すように、中長期的な視点での「方針」では「製品/サービスを特定のベンダに集約していく」が「新型コロナ感染症対策に伴い刷新/更新する」を上回っている。ただし、「ニーズ」を確認すると、グラフの橙帯が示すように「社内のPCを個人宅でも問題なく利用できる仕組み」や「在宅勤務をする従業員のPCを管理できる仕組み」といった在宅勤務に関する項目の回答割合が相対的に高くなっていることがわかる。
このように、中堅・中小企業がエンドポイントにおける守りのIT対策をどう考えているか?を把握する際には中長期的な「方針」と直近の「ニーズ」を分けて捉える必要がある。冒頭でも述べたように、新しい生活様式や働き方改革は今後も継続的に中堅・中小企業のIT活用に影響すると予想される。しかし、在宅勤務だけに焦点を当てた場合、新型コロナ収束後はニーズが後退する可能性もある。IT企業としては新型コロナ対策に向けたIT活用提案を続ける一方、ベンダの集約という中長期的な方針を踏まえた上で、エンドポイントの守りのIT対策全般を広い視点で検討していくことが大切だ。
■アプリケーションのセキュリティ対策ニーズは「社員教育」や「事後対策」へと範囲が拡大
本リリースの元となる調査レポートでは、さらにアプリケーションの守りのIT対策についても以下のような様々な選択肢を設けて方針やニーズを集計/分析している。
災害時に業務を継続するための仕組み 以下のグラフは上記の方針/ニーズを尋ねた結果を中堅・中小企業全体で集計したものだ。
グラフの緑帯と赤帯が示すように、アプリケーションの守りのIT対策における中長期的な「方針」では「Windows10への移行に伴い刷新/更新する」が「新型コロナ感染症対策に伴い刷新/更新する」を上回っている。2020年1月にはWindows7がサポート終了となったが、WaaSの考え方が導入されたWindows10は単なるバージョンアップではなくアプリケーションの管理/運用にも大きな影響を与える。上記の結果は中堅・中小企業が「新型コロナにはいずれは収束が訪れると予想されるが、WaaSは今後も継続する」という点を重視したと捉えることができる。一方で直近の「ニーズ」では、グラフの橙帯が示すように「セキュリティ全般に関する従業員向け教育サービス」および「不正アクセス発生後の被害拡大を防ぐ対策」の回答割合が相対的に高い。つまり、ツール導入だけでなく社員教育やインシデント発生時の事後対策といった幅広いセキュリティ対策が求められているといえる。ここでは中堅・中小企業全体の傾向を俯瞰したが、本リリースの元となる調査レポートには年商、業種、従業員数、IT管理/運用の人員体制といった属性別の集計結果も含まれる。
本リリースの元となる調査レポート
【対象企業属性】(有効回答件数:1300社)
年商: 5億円未満 / 5億円以上~10億円未満 / 10億円以上~20億円未満 / 20億円以上~50億円未満 /50億円以上~100億円未満 / 100億円以上~300億円未満 / 300億円以上~500億円未満
従業員数: 10人未満 / 10人以上~20人未満 / 20人以上~50人未満 / 50人以上~100人未満 /100人以上~300人未満 / 300人以上~500人未満/ 500人以上~1,000人未満 /1,000人以上~3,000人未満 / 3,000人以上~5,000人未満 / 5,000人以上
業種: 組立製造業 / 加工製造業 / 建設業 / 卸売業 / 小売業 / 流通業(運輸業) /IT関連サービス業 / 一般サービス業 / その他(公共/自治体など)
地域: 北海道地方 / 東北地方 / 関東地方 / 北陸地方 / 中部地方 / 近畿地方 / 中国地方 /四国地方 / 九州・沖縄地方
その他の属性: 「IT管理/運用の人員規模」(12区分)、「ビジネス拠点の状況」(5区分) 【分析サマリの概要】
集計データにおける重要ポイントを解説し、ベンダや販社/SIerが今後注力すべきポイントなどを提言。
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