総文祭の運営を担うのは、公募で集まった和歌山県内の高校生だ。2年前から、開会式や広報など五つの部会に分かれて準備を進めてきた。そのひとつ、国際交流部会は、生徒13人が、海外の高校生との交流イベントを企画する。新型コロナで訪日がかなわなかったが、いまできることを模索した。 トルコの高校生とオンラインで交流する実行委・国際交流部会のメンバー=2021年7月11日午後2時57分、和歌山市吹上1丁目、寺田実穂子撮影 「I want to meet you when you come to Japan(みなさんが来日したときには、会いたいです)」。今月中旬、和歌山市の県立近代美術館の1室で、生徒3人がウェブカメラに向かって英語で呼びかけた。前方のスクリーンには、それぞれ自宅から参加するトルコの高校生が映っている。 トルコの生徒たちが両手で作る「W」はわかやま総文のポーズ=2021年7月11日午後4時3分、和歌山市吹上1丁目、寺田実穂子撮影 トルコに関するクイズに答えたり、トルコ民謡の動画を見せてもらったり、オンライン上で時間を共にした。トルコと和歌山は、1890年、オスマントルコ軍艦が県南部沖で座礁し、近くの島民が救助した歴史がある。別の部屋では、インドや韓国の高校生とそれぞれ交流を楽しんだ。 オンラインで交流する和歌山県とインドの生徒ら。手で作る「W」はわかやま総文のポーズ=2021年7月11日午後4時18分、和歌山市吹上1丁目、寺田実穂子撮影 当初は、海外の生徒らが訪日することを前提に準備を進めていた。1週間程度の滞在を想定して、高野山のツアーやドッジボール、けん玉体験などの企画を練っていた。 しかし、コロナの波は収まらない。今年に入って、リアルとオンラインの両方を視野に入れる必要が出てきた。オンライン交流の方法は、なかなか案が出てこなかった。 「訪日できなくなりました」…