原発事故で禁輸

原発事故で禁輸、廃棄…苦境のホヤ 意外な新商品が登場:朝日新聞デジタル


 ホヤの産地は、主に青森から宮城にかけての太平洋側と北海道で、大半が養殖物だ。長年、宮城県が生産量トップだったが、2011年の東日本大震災で漁場や設備が壊滅的な被害を受けた。
 復旧が進み14年に本格的に出荷できるようになった。だが、大消費地の韓国が13年から東京電力福島第一原発事故を理由に宮城、青森、岩手を含む8県からの水産物輸入を全面禁止。販路が失われ、宮城県漁協は16~18年に計約1万5千トンを廃棄処分した。
廃棄処分知り…専門店オープン
 きっかけは、仙台や東京で居酒屋などを展開する「飛梅」(仙台市)の松野水緒社長(41)が17年5月に見た、宮城県産ホヤの廃棄処分のニュース。いてもたってもいられず約1カ月間、料理の試作に没頭。同年7月に開店した。
 ホヤは甘みや苦み、酸味などが絡み合う複雑な味。愛好者が「食わず嫌い」の人を店に連れて来てくれる形で、少しずつファンを増やしてきた。松野社長は「ホヤは宮城の宝。おいしさを広く知らせ、被災地復興にも貢献できる店にしたかった」。
 今年2月には東京・浅草に、ホヤをむく様子を客に見せるためのオープンキッチンを備えた新店舗「かきほや飛梅」を開店。宮城で早朝にとれたホヤを新幹線で運ぶ計画もある。新型コロナの影響で店は両方とも休業中だが、間もなく再開できる見込みだ。
新メニューに意外な商品も
 ほや醬は、いろんな食材にのせて手軽にホヤの味を楽しめる。首都圏の料理人有志の会で、震災後に石巻で支援活動を展開した「料理ボランティアの会」の協力で開発。さらに市内の水産加工業「三養水産」が瓶詰にし、8月にも販売を始める予定だ。
 家庭で日常的に使える加工品としてヒットすれば、たくさんのホヤが必要になる。小野寺夢津子常務は「震災もコロナもあったこの10年の、地元の皆さんへの感謝の思いで企画した。全国にホヤの味を広めたい」と意気込む。
 青森では一風変わった商品が人気だ。県産ホヤの殻を膨らませて乾かし、中にLED電球を入れた「ほやランプ」(税込み1500円)。ホヤに興味を持ってもらい消費拡大につなげようと、青森市の漁協と障害者就労支援施設が連携し昨年から作っている。
 販売を受け持つ青森市の県観光物産館「アスパム」の売店「地場セレクト」では昨年、用意した約150個を完売。SNSなどで話題を集め、6月の今年初の販売日には50個が即日完売した。ごつごつした外観と、光った時のギャップが人気のひけつだ。
 地場セレクト職員の中山ひと美さん(41)は、元々見るのも嫌なほどのホヤ嫌いだったが、「ランプの商品化にかかわるうちに好きになり、今では見つけるとつい買ってしまう」という。どんな形であれ、ファン獲得にはホヤと過ごす時間が重要なようだ。
 青森県の生産量は多くはないが、初夏のこの時期は居酒屋の定番メニュー。スーパーにも新鮮なホヤが並び、山菜と合わせて昆布だしをかける郷土料理「ミズとホヤの水物」としても親しまれている。(原篤司)
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