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 番組名の『帰省なう』は、2011年10月~12月の毎週木曜深夜に放送されていた同局の深夜バラエティー。北海道をふるさとに持つ芸能人が帰省したある日に密着し、離れたからこそわかった、“北海道のコト”“家族のコト”それぞれの帰省の目的、思いを聞いた。かつて、この番組で長谷川を取材したことがあった。
 「こ~んにちは~!」と叫ぶ姿が印象的な長谷川は、20 年前は札幌吉本の芸人で、HTBの情報番組『夕方Don!Don!』のリポーターとして活躍していた。2002年、30歳の時に全国区の芸人になることを夢見て上京。牛丼店でアルバイトをしながらの芸人生活だったが、鳴かず飛ばず。“売れないピン芸人”としてもがいていた11年の夏の日、長谷川は10年ぶりに母親の元に帰省。『帰省なう』で密着し、放送された。
 それからさらに10年。涙の帰省に再び密着したのが、21日放送の『帰省なう あれから…』。北海道のゴールデン帯で奇跡の人生逆転劇を届ける。「深夜にやっていた『帰省なう』を見た人が、まさか10年後にゴールデンタイムでやるって誰が予想できた!?」と、長谷川。
 「前回10年前に来た時は本当にただただもう少し続けたいというのをとりあえず母親に言って、何の根拠もなかったんですけど。それがやっと芸人として食べられるようになり、アルバイトを辞める事ができて…。報告しに行けたのが一番うれしかった。前回は僕1人だったんですけど、今回は相方を連れて改めてあいさつに行けたのが良かった」と、感慨もひとしおだ。
 渡辺は「10年前の『帰省なう』を見させていただいて、前回は雅紀さんのお母さん、一切笑顔がないというような感じだった、雅紀さんがギャグやっても全然笑わないし。でも今回の『帰省なう あれから…』はお母さんの笑顔がたくさん見られたので、そこは本当に僕も見ていてうれしかった。『帰省なう あれから…』の本当の主人公は雅紀さんのお母さんだと僕は思っています。お母さんも見どころの一つ!」と、語る。
 しかも、番組ナレーターは、窪田等(代表作『情熱大陸』)が務めることに。これには「びっくりしました」(長谷川)、「バラエティーではなくなっている。ドキュメントみたいな。おじさん2人が情熱大陸!」(渡辺)、「いや~~~楽しみですよ」(長谷川)と、2人とも大興奮だった。
■苦労人しか経験できない重みのある言葉に心を揺さぶられる
 10年前の『帰省なう』で、「母さんが居酒屋のお客さんから、『毎週息子をテレビで見ているよ』と言われるように頑張るので、もう少しだけ芸人を続けさせて欲しい…」と母に誓った長谷川。その後、長谷川はピン芸人を卒業し、渡辺とコンビを組んで「錦鯉」を結成。アルバイトを続けながらの芸人生活に変わりはなかったが、徐々に力をつけていき、20年のM-1グランプリで長谷川は“最年長ファイナリスト”に。5081組の中の4位という爪痕を残す。
 母との約束を交わした日から約10年。奇跡の逆転劇が起きた。49歳と43歳のコンビは注目を集め、いまや毎日のようにバラエティー番組でその活躍を見せている。そんな長谷川が相方を連れて札幌へ帰省。HTBのカメラを引き連れて、思い出の地を巡った。初めて人前で漫才をした原点の場所や、母校の小学校。同級生との37 年ぶりの再会もあった。
 そして長谷川は渡辺とともに母の営む居酒屋へ。10年越しで母との約束を果たした長谷川は、久しぶりに会う母に何を語るのか。新千歳空港に向かう車の中で行った最後のインタビューも必見。「雅紀さんにとって故郷はどんな存在でしょうか?」という問いかけに、長谷川は数秒間宙を見つめた後、急に泣き出し、一言、一言かみしめるように胸中を語る。
 企画・プロデューサーの戸島龍太郎氏は「苦労人しか経験できない重みのある言葉に心を揺さぶられ、20年来の付き合いがある私はもらい泣きしました。バラエティー番組でみせる姿からは想像できない『人間力』とふるさとへの思いを感じ取っていただきたいです」とコメント。
 チーフディレクターの平尾由佳子氏は「10年前、築60年家賃3万円、雨漏りのするアパートで長谷川さんに初めて会いました。コンビを解散しピンになったばかりの“崖っぷち芸人”は不安と迷いのただなかにありました。今回、『あのとき番組がなければ辞めていたかもしれない』と当時を振り返る長谷川さん。あれから、何があったのでしょう。10年前はひとりだった帰省も、今回は相方とふたりでの帰省。さながら『実家に連れてこられた嫁』状態の相方・隆さんの姿も必見です。誰かに会ってたわいのない話をしてちょっと元気をもらう、そんな簡単なことが貴重になっている今だからこそ是非、ご覧いただきたいです」と、番組をアピールしている。

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