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五輪ボクシング・岡澤セオン 志半ば、敗れても前へ 恩師と出会い開花 鹿児島・鹿屋拠点に再スタート | 鹿児島のニュース | 南日本新聞
拡大 「鹿屋の星」は志半ばでリングに散った。東京五輪ボクシング男子ウエルター級の岡澤セオン選手(25)=INSPA=は27日、2回戦で僅差の判定負け。それでも、恩師と出会った「第二の故郷」の鹿児島県鹿屋市で急成長し、五輪出場まで駆け上がった若者は、世界を相手に堂々と戦いきった。
24日の1回戦では昨年のアジア・オセアニア予選で敗れた相手を、鹿屋で鍛え上げたアウトボクシングで撃破。「五輪の舞台に立てたことが幸せです」。心からの言葉を口にし、拳を突き上げた。
山形県出身の岡澤選手。国民体育大会開催を控えていた鹿児島県からの勧誘をきっかけに、中央大学卒業後の2018年4月に鹿屋での生活をスタートした。
荒竹会長は岡澤選手を親身になって支援し、練習と生活の環境を整えてくれた。「大学を出たばかりの意識が低かった僕を、最初からトップで戦うアスリートとして扱ってくれた。それに見合う選手になりたいと自覚が生まれた」と振り返る。
「鹿屋に来て初めてチャンピオンになれた。人が明るくて優しく、大好きな場所」と地域への思いは強い。昨年7月には豪雨でジムが被災し、練習どころではなくなった。得意のバターチキンカレーを販売し、クラウドファンディングで復旧支援を募ったこともある。
今年4月からは、鹿児島の企業を含むスポンサーの支援を受け活動。アマボクサーとしては異例の形であり、「金メダルを取って恩返ししたい」と常々話していた。鹿屋市が用意し、市民の応援メッセージがびっしりと書かれた日の丸を五輪選手村の部屋に置いていたという。
初めての夢舞台でメダルとはならなかった。だが、これからも鹿屋を拠点に24年パリ五輪を目指す考えだ。3年後のメダル獲得へ向けて再び第二の故郷からスタートを切る。
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