拡大 第103回全国高校野球選手権鹿児島大会最終日は26日、第5シード樟南が71校63チームの頂点に立って閉幕した。第3シード鹿児島実との決勝は、初回に先制すると、その後も効果的に加点。相手打線を抑えて7―0で完封勝ちした。樟南は5年ぶり20度目の優勝。優勝20回は県内最多。全国大会は昨年、新型コロナウイルスの影響で中止されたため、2年ぶりの開催。8月3日に組み合わせ抽選があり、同9日に甲子園球場で開幕する。
好投手を擁し、準決勝までわずか1失策の樟南に、1試合平均9点超の打線を誇る鹿児島実。伝統校同士の決勝は「堅守」と「強打」の戦いが予想された。ふたを開ければ、樟南が毎回の15安打で7得点。相手のお株を奪うような猛攻で、5年ぶりの夏頂点をつかんだ。
山之口和也監督は決戦へ向け、「バットを短く持ち、ストライクは積極的に振り抜け」との指示を出したという。その言葉通り、選手たちはコンパクトなスイングで鋭い打球を飛ばし、そつなく効果的に得点を重ねた。
初回、チーム初安打の尾崎を二塁に置き、打席には下池主将。準決勝まで打率2割あまりと低迷気味だった。「これまで自分が打てていなかった。チームのために打つ」。内寄りの球をとらえた一振りで、待望の先取点をもぎとった。
4回は2死走者無しから満塁と攻め立てて3点を追加。5回と8回も好機で適時打を放ち、確実に走者を返した。準決勝の前半で目立った打ち急ぎも、きっちりと修正した。
ライバル鹿実に差をつける20度目の夏甲子園。ナインは何度も抱き合って出場を喜び合った。選手たちに胴上げされた山之口監督は「県代表として恥じない試合をしたい」と表情を引き締めた。
■鹿実打線 強振直せず快音聞かれず
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