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July 2, 2021 / 11:09 PM / 3 hours ago更新
アングル:東京五輪で再び立ち退き、80代男性の「悲しく、寂しい」心情
Reuters Staff
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[東京 1日 ロイター] - 1964年の東京五輪開催前、旧国立競技場の建設用地を確保するために立ち退きを求められた甚野公平さんは、生まれ育った家を捨てる寂しさを感じつつも、栄光の瞬間を迎える日本に貢献できることが誇らしくもあった。
 7月1日、 1964年の東京五輪開催前、旧国立競技場の建設用地を確保するために立ち退きを求められた甚野公平さん(写真)は、生まれ育った家を捨てる寂しさを感じつつも、栄光の瞬間を迎える日本に貢献できることが誇らしくもあった。国立競技場前で6月撮影(2021年 ロイター/Issei Kato)
しかし80歳になった2013年、甚野さんは再び立ち退きを命じられる。2020年東京五輪に向けて国立競技場を建て替えるためだ。この運命のいたずらは、当局の冷たい対応によっていやが上にも苦い経験になった。
「つらいですね。やはり、つらいですね。人生で一番長く住んでいましたから」。現在87歳の甚野さんは語る。
甚野さんは今回の五輪開催を望んでいなかった。日本が再び主催するのはまだ早いと思ったからだ。そして立ち退き通告は寝耳に水だった。対象となった約200世帯の多くは高齢者だ。
「私たちに対する態度、それは本当に納得いかないやり方で、思いやりがちっとも感じられなかったと私は思います」と甚野さんは言う。
例えば、「この度引っ越ししていただくようになりますけれど、ぜひご協力お願いします」という言葉の一つでもあれば、気持ちは和らいだかもしれない。しかし、役所の口ぶりはそうではなかった。
「率直に申し上げてですね、『オリンピックがあるんで、どいてもらいますよ』と、そういう感じに私は受け止めました」
<地元コミュニティーはばらばらに>
立ち退きの結果、甚野さん夫妻は別の団地に移り、昔からのコミュニティーはばらばらになってしまった。
「やはり、われわれ今まで住んでいた者が、どれほど辛い思いをして、嫌な思いをして、生まれ故郷を離れていかなきゃならなかったか。(事業を)進める方が少しでもいいから、思いやりの気持ちで気を遣ってくれたらよかったのに」と甚野さんは話す。
「今回(の立ち退きについては)17万円いただきました。17万円で何ができますか。私は引っ越ししました。それこそ笑っちゃうけど、100万ぐらいかかりましたよ」
ある東京都の職員は、こうした状況では17万円が標準的な支給額だと説明。丁寧な対応に努め、近くの都営住宅を紹介するなど工夫したとした上で、「あそこに長く住んでいた人にとっては、当局の対応がおそらく冷たく映ったのだろう」と語った。
東京五輪の組織責任者らはコメントを控え、新国立競技場は日本スポーツ振興センター(JSC)の管轄であり、立ち退きは東京都が法律に則って行ったとした。JSCは、立ち退きは東京都および日本国政府と協議して行ったと説明した。
<懐かしい場所>
甚野さんは表参道からほど近い霞ケ丘で、9人兄弟の4番目として生まれた。第二次世界大戦で生家が焼失した後、一家は20メートル先に引っ越し、甚野さんはそこでタバコ屋を営んでいた。
1964年の東京五輪に先立ち、競技場の増築と周辺の公園の建設のため、一家は立ち退くことになった。家の跡地は舗装され、周囲を覆っていた緑は伐採され、近所の川はコンクリートでふさがれた。
甚野さんはしばらく洗車の仕事で生計を立て、狭い部屋で妻の保子さんと2人の子どもと暮らした。だが1965年になると公団住宅に引っ越し、タバコ屋を再開する。
「お店やってたもんだから、人は絶えなかった。甚野さんのところに行けば、面白い話聞けるよ、とかね」。店の前には3、4人座れる長椅子がおいてあり、人々の団らんの場になっていた。夏休みには子供たちにそこで宿題を教えたこともある。
そうした生活に終止符を打ち、甚野さん一家は2016年に移転。引っ越しは、特に保子さんにとって大変な作業だったと甚野さんは言う。「孤独になり、落ち込んで」いた保子さんは18年、84歳で死去した。
現在、東京西部で息子と暮らす甚野さんは、数カ月ごとに当時住んでいた場所を訪ねる。
ピカピカの新国立競技場の向こう、壊された旧家から少し坂を上った場所には、五輪マークのモニュメントが飾られた小さな公園があり、訪れた人が笑顔で写真を撮っていく。
人生を揺さぶった五輪だが、甚野さんは成功を願っており、新型コロナウイルスの流行が五輪開催の高揚感に水を差したことを残念に思っている。
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だが、様変わりしたこの一帯を訪れると、胸は高鳴る。
「ああ、ここで生まれたんだなあ、育ったんだなあ、あの草木一本変わらないなと思うんですね。神宮外苑の木を眺めながらですね。懐かしいと同時に、何か、さびしいような気持ちもあふれてきます」
(Elaine Lies記者)

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