「赤ちゃんポスト」20年度の保護、最少の4人　院長「コロナ影響」

　20年度の4人のうち、生後7日未満の早期新生児が3人、生後1年から就学前の幼児が1人。2人は専門家の立ち会いがない自宅などでの孤立出産だった。父母らの居住地は熊本県内と熊本以外の九州、近畿地方、不明が各1人。性別は男児1人、女児3人だった。
　20年度に慈恵病院や県、熊本市への相談は計7541件に上り、17年度の7983件に次いで多かった。県外からが半数以上を占めたという。
　報告書は、孤立出産後に子どもの存在を隠したまま働き、「ゆりかご」に預けるために長距離移動をする一連の行動について、創設時には想定外だったと言及。「ゆりかごが母子の生命の危険性を脅かしかねないものとして存在している可能性もある」と懸念を示した。
　慈恵病院の蓮田健院長は記者会見し、20年度は「新型コロナウイルスの影響で休校が続いた中高生からの妊娠相談が増えた一方、県外への移動が制限されて預け入れが減った」と指摘。「孤立出産を選択せざるを得ない女性の事情もくみ取ってほしい」と述べた。　（西村百合恵）

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