[クアラルンプール 16日 ロイター] - マレーシア王室は、ムヒディン首相が16日、アブドラ国王に辞任を申し出たと発表した。新首相が選出されるまで暫定首相にとどまるとしている。地元メディアは15日、ムヒディン首相が16日に辞任する見通しと報道。連立政権を構成する党所属議員の離反が相次ぎ、連立与党は議会の過半数を維持できなくなっていた。[nL4N2PM0NT]王室は、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)のさなかに選挙を行うことは最良の選択肢ではないとして、アブドラ国王はムヒディン首相が暫定首相の座にとどまることを喜ばしく思っているとした。その後、全国にテレビ中継された演説でムヒディン首相は、議員の過半数の信任を失ったため国王に辞表を提出したと述べ、一刻も早く新政権が樹立されることを望むとした。これを受けてマレーシアリンギは1年ぶり安値に下落。クアラルンプール市場の総合株価指数KLCIも下げた。後任選出の判断は国王の手に委ねられた。国王は、選挙で選ばれた議員の中から多数派を率いる可能性が最も高いとみられる人物を首相に任命できる。マレーシア国際イスラム大学の法律専門家、Nik Ahmad Kamal Nik Mahmod氏は、すぐに新首相が決まるかは分からないとの見方を示し、「現在、多数派を占める候補者がいないために、各派がそれぞれ推薦する候補者を支持するよう互いに強く主張している」と述べた。首相候補の筆頭には、ムヒディン首相の下で副首相を務めたイスマイル・サブリ・ヤアコブ氏の名が挙がっている。そのほか、ベテラン議員のトゥンク・ラザレイ・ハムザ氏、ヒシャムディン・フセイン元外相らが候補となっている。いずれも統一マレー国民組織(UMNO)に属している。一方、野党党首のアンワル・イブラヒム氏も名乗りを上げている。*内容を追加して再送します。...