福島県、過去最多114人感染　変異株７割近く、いわき76人確認：福島民友ニュース：福島民友新聞社 みんゆうNet

　１１４人のうち、いわき市が７６人を占め、同市の感染状況は悪化の一途をたどっている。県が同市を対象に、国に対して要請したまん延防止等重点措置の適用などについて、西村康稔経済再生担当相は３日の閣議後記者会見で、専門家の意見を聞き速やかに判断するとの考えを示した。感染者数の増加や陽性率の高まりに懸念を示し「病床の状況を各県と共有しながら分析を急いでいる」と述べた。
　デルタ株は従来株より感染力や入院率が高い可能性が指摘されている。Ｌ４５２Ｒ変異は、７月２６日～８月１日に県衛生研究所などで抽出検査した２３０件のうち、１５９件（６９．１％）で検出された。いわき市保健所管内での検査では、対象の１１２件全てがＬ４５２Ｒだった。また、ゲノム解析の結果、新たに６件のデルタ株が確認された。県内で判明したデルタ株は計９件。県は「感染状況に影響が出ている可能性がある」と指摘、「変異株でも基本的な対策で感染を防げる」と感染防止対策の徹底を呼び掛けている。
　２日時点の県内の入院者は重症１０人を含む３７６人で、病床使用率７５．８％となり、ステージ４（爆発的な感染拡大）の水準を超えている。療養先調整中はこれまでで最多の１２２人に上り、仮に全員が入院する場合、確保している４９６床を超える状況。県は「療養先の調整が難しくなっている」と危機感を示した。
　このほか、直近１週間（７月２７日～８月２日）の人口１０万人当たり新規陽性者数は３２．６１人、療養者数は３９．３３人で、いずれもステージ４の水準。２日時点の重症者病床使用率（２０．４％）とＰＣＲ陽性率（５．４％）はステージ３（感染者の急増）の状況にある。
　２日に陽性と判明した１１４人の内訳はいわき市７６人のほか、福島市１０人、郡山市７人、須賀川市５人、二本松市、田村市、南相馬市、広野町が各２人、会津若松市、白河市、相馬市、伊達市、西郷村、三春町、富岡町、大熊町が各１人。３０人の感染経路は不明。いわき市の７６人には、児童施設のクラスター１０６件目関連など市が２日に公表した６２人が含まれる。
　２日時点で１７７人が宿泊療養しており、５１人が自宅療養中。同日までに２２人が退院し、９人が宿泊療養施設を退所した。

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