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不正常態化、全容は不明
 刑事訴訟法に基づき、犯罪死が疑われる遺体の死因究明を担う司法解剖。依頼を受けた医師は自身の判断で薬毒物などに関する検査を実施できる。薬毒物の成分検査=約7万4000円、ウイルス検査=約1万8000円――。府警と近大はあらかじめ検査項目ごとに単価を決め、府警は近大側の報告書や請求書に基づき費用を支払ってきた。検査費を含む解剖委託費は全て国費で賄われる。
 府警が巽容疑者が関わった過去6年分の報告書を調べたところ、全873件のうち9割超を占める795件で不正が確認された。実施していない薬毒物やウイルス検査が架空計上されていたほか、遺体などから採取された細胞組織を調べる検査ではプレパラート数が水増しされていた。法医学教室の元講師の男性(65)=懲戒解雇=も、巽容疑者の指示で不正に関与したとされる。
 ただ、調査は報告書が残っていた期間に限られ、いつから不正が始まったのか全容は分かっていない。
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