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 登山口に鳥居が建ち、登り始めると、斜面伝いに坂道が続く。直立した太い松と杉がうっそうと茂る中で歩くこと約20分。樹木に遮られていた上空が頂上の磐座の真上にぽっかりと姿を現した。
 「日本のピラミッド」と呼ばれ、伝説マニアの間では「謎の多い山」として知られる秋田県鹿角市の黒又山(くろまたやま=通称クロマンタ、標高280メートル)。花輪盆地に拓(ひら)ける十和田大湯にあり、南西約2キロ先には、世界遺産登録を控える「北海道・北東北の縄文遺跡群」の一つで、かつてこの山と何らかの関係があったのではと推測されている「大湯環状列石」が広がる。
 この山は、少し離れて見るとピラミッドのような整然とした形だ。地元では、アイヌの言葉が語源とされる通称名で親しまれ、かつてのこの地域の族長、黒沢万太を祀(まつ)った古墳という伝承も。山頂部には「本宮神社」が祀られている。
登山口に立つ「本宮神社」の鳥居=2021年7月8日、秋田県鹿角市十和田大湯で田村彦志撮影
 専門家の間で「古代ピラミッド説」は根強い。疑問を解明しようと、考古学者らで構成する日本環太平洋学会は1990年代に神道民俗学、文化人類学などの専門家らを集めて調べた。
 成果をまとめた「クロマンタ研究」(第3次黒又山総合調査報告書、95年3月発行)によると、地中レーダー探査によって山頂地下(社殿下)に人工的構造を示す反応があった。構造物があるとみられる山頂部が人口丘の可能性があり「自然の山を改造したり、人工的な構造物を建造することで、特定の目的を達成するために造られた形跡が濃厚」との見方を示した。つまり階段ピラミッド状の祭祀(さいし)遺跡とみられるのだ。
 平安中期の武将で蝦夷(えみし)の指導者だった安倍貞任の一門で、医師の本宮徳次郎がこの地に逃れ、薬師如来を祀ったこの山では、縄文後期や弥生時代の土器片が掘り出された。ストーンサークル(環状列石)の一部も発掘されており、全体が古代人の聖地だったらしい。
ピラミッドのような三角の形をした黒又山=鹿角市十和田大湯で2021年7月12日、田村彦志撮影
 縄文遺跡群の世界遺産登録を前に、多くの謎を秘めるこの山に登った。確かに何かを感じられそうな気がする。ミステリーツアーコースやパワースポット(元気がもらえる場所)としても知られる。不思議な山だとつくづく思う。【田村彦志】
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