五輪・日本のライバル/8　柔道　最重量級の原沢に立ちはだかるリネール

　日本発祥の柔道は1964年東京オリンピックで初めて採用された。64年大会の男子無差別級決勝で神永昭夫がオランダのアントン・へーシンク（いずれも故人）に敗れたことは柔道界に苦い記憶として刻まれている。無差別級がない今回、最重量級の100キロ超級での金メダル奪還が使命となる。2016年リオデジャネイロ五輪銀メダルの原沢久喜（百五銀行）に立ちはだかるのが五輪2連覇中のテディ・リネール（フランス）だ。
リオデジャネイロ五輪柔道男子100キロ超級決勝でフランスのテディ・リネール（右）に敗れ、表彰台で握手をする原沢久喜＝リオデジャネイロのカリオカアリーナで2016年8月12日、和田大典撮影
　204センチの長身に技術を兼ね備える32歳は17年末から休養した。19年7月に復帰したが、昨年2月には影浦心（日本中央競馬会）に国際大会での連勝を154で止められ、かつての絶対的な強さは見られない。だが、世界ランキング上位者で争う今年1月のマスターズ大会で優勝し、調子を上げている。04年アテネ五輪男子100キロ超級金メダルで男子代表の鈴木桂治コーチは「特別な存在」と警戒する。
柔道の世界選手権女子48キロ級決勝で渡名喜風南（手前）と対戦するダリア・ビロディド＝東京・日本武道館で2019年8月25日、宮間俊樹撮影
柔道の世界選手権女子48キロ級決勝でダリア・ビロディド（左）と攻め合う渡名喜風南＝東京・日本武道館で2019年8月25日、宮間俊樹撮影
　谷（旧姓・田村）亮子が五輪で2連覇した日本女子の看板階級48キロ級は24日に行われ、日本の金メダル1号の期待が掛かる。強敵は18、19年の世界選手権の覇者、ダリア・ビロディド（ウクライナ）だ。最軽量級としては異例の172センチの長身で、長い手足を生かした足技や、絞め技、寝技を得意とする。渡名喜風南（パーク24）は新型コロナウイルスの感染拡大による延期の1年間で相手の懐に飛び込む背負い投げを磨き、世界選手権での雪辱を期す。【松本晃】
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