熊本、宮崎、鹿児島3県に一時大雨特別警報　線状降水帯を確認

水位が上がった川内川の様子＝2021年7月10日午前8時52分（国土交通省九州地方整備局提供）
　停滞する梅雨前線の影響で、九州南部は10日、記録的な大雨に見舞われた。気象庁は重大な被害の危険性が高まっているとして、熊本、宮崎、鹿児島の3県に「大雨特別警報」を発表。鹿児島県では同じ地帯に猛烈な雨を降らせ続ける「線状降水帯」の発生が確認された。午前10時現在、熊本県人吉市など7市町が約12万1000世帯24万5000人に最高レベル「5」の避難情報「緊急安全確保」を発令し、土砂災害や河川の増水への警戒を呼び掛けた。
　大雨特別警報の対象となったのは、▽熊本県人吉市▽宮崎県えびの市▽鹿児島県出水市▽伊佐市▽薩摩川内（さつませんだい）市▽さつま町▽湧水（ゆうすい）町。気象庁は10日午前11時45分、熊本県と宮崎県については解除し、警報に切り替えた。
　鹿児島県では河川の氾濫や道路の冠水、土砂崩れなどの被害が相次いだ。人的被害は確認されていない。
九州にかかる雨雲（7月10日午前8時現在）＝気象庁のホームページから
　10日午前10時までに入った情報によると、▽鹿児島県で261世帯622人▽熊本県で187世帯290人▽宮崎県で33世帯46人――が避難している。大雨の影響で、九州新幹線は熊本―鹿児島中央間で始発から運転を見合わせるなど交通機関も乱れた。
　気象庁によると、10日朝までの6時間の降雨量は▽宮崎県えびの市で247ミリ▽小林市で197・5ミリ▽鹿児島県さつま町で285ミリ――を記録し、いずれも観測史上最大を更新した。
　九州は10日夕にかけて大雨のおそれがあり、11日午前6時までの24時間雨量は北部で200ミリ、南部で150ミリと予想されている。【中里顕、白川徹、城島勇人】
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