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――キュービックは、デジタルメディアを中心とした様々な事業を展開している会社ですが、アニメ制作に至った過程を教えて頂けますか。
――なるほど。薬剤師からOLに設定が変わったのは何故なのでしょうか?
■「足で稼いだ“あるあるネタ”が共感を生む」愚痴を悪口にしないノリツッコミが救いに
とってもアナログなんですが、まず様々な人達にお話を聞いて“あるある”ネタを収拾しています。例えば、薬剤師メディアの運営の時は薬剤師さん10名ほどにファミレスまでお越し頂いて長時間お話を聞いたり、「おしりの相談編」というアニメに関しては、肛門科の横にある薬局の薬剤師さんに話を聞いた際に「痔の薬を渡す時は気を遣う」と言っていたのが面白かったので、そこから生まれたものだったりします。OLの職場あるあるに関しては、いまはコロナの影響もあってオンラインでのリサーチが多いのですが、以前はユーザーのOLさんに集まって頂いて座談会などを開いていました。
――SNSのフォロワーも多くなり、情報収集もしやすくなったのでは。
――『モモウメ』がここまで多くの人の支持を得ることができた理由は何だと思われますか。
とにかく何でも隠さずに正直に描くことを大事にしています。例えば僕が上司として部下と接する時に、仕事の指示をコロコロと変更していたようで、そのことを部下に指摘されたんです(笑)。そのネタを使ったのが『モモウメ』の「仕事の指示をすぐ変更する人にギャルが物申す」です。社内外の様々な人の実体験も含め、正直に描くというのは制作する上で一番気をつけています。ただ、発信する際にひとつ気をつけなければいけないのが“ただの悪口にしないこと”。僕は部下の気持ちも上司の気持ちも理解できるので、様々な愚痴から生まれた悪口に対して、救いを与えてあげないといけないと思っているんです。ウメさんがモモちゃんの愚痴にちゃんとノリツッコミして愛で答えているのは、フォローをしているからなんですよね。
■「上司に観せたら仲良くなれた」職場の改善につながったという声も
“心の処方箋”になるようなアニメにしたいと思っているので、誰も傷つけないことをテーマに作るようにしています。SNSはテレビと違って誰でも気軽に触れられますし、簡単に人に影響を与えてしまうものなので、観て嫌な気持ちになるようなものを作らないことが大事というか。SNSは拡散力に優れているぶん、炎上などネガティブなイメージもありますよね。ですが、そういったことを払拭しながら、うまく活用できるのがアニメの力だと思うので、観たら幸せになれるようなものを意識して“あるある”を詰め込むようにしています。
――“心の処方箋”は現代人には必須なのかもしれませんね。
――『モモウメ』はどういうジャンルのアニメになるのでしょうか。
――今後、『モモウメ』に関してどんな展開を考えてらっしゃいますか。
(取材・文/奥村百恵)

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