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中京、初戦で逆転サヨナラ負け 2年前の夏の甲子園4強
(10日、高校野球岐阜大会 多治見工9-8中京)
 岐阜大会で、2019年夏の甲子園4強の第1シード中京が、初戦で多治見工に逆転サヨナラ負けを喫した。中京は八回表の攻撃が終わって8―3とリード。そこからドラマが起きた。多治見工は八回裏、樋口流唯(るい、3年)が満塁本塁打を放って1点差に。九回は適時打で同点とし、最後は相手投手の暴投で三塁走者が生還した。中京は継投策が裏目に出て、2年ぶり出場の夢は散った。
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 中京は序盤から得点を重ね5点をリードしたが、多治見工に八回に満塁本塁打で4点、さらに九回に1点を奪われ、追いつかれた。
 橋本哲也監督は「この場面で抑えられるのは小田しかいない」と、四回に降板させ、内野を守らせていたエースを戻した。「任せたぞ」という監督の信頼を目で感じた。「肩が壊れてもいい」。そんな気持ちで強気に投げた。
 2球で追い込んだ。だが、低めを狙った3球目のスライダーが暴投となり、三塁走者が生還。初戦敗退が決まった。
 相手校の校歌が流れても何が起きているのか理解できない。スタンドに向かって一礼をしたとき、ベンチ入りできなかったチームメートの顔が見えたが、申し訳なくて何と言えばいいのか分からなかった。
 小田投手はエースで主将で4番打者。一昨年の夏には甲子園で活躍し、4強入りに貢献した。重要な役割を任せてもらっているうれしさもあったが、「2年ぶりの甲子園に、絶対出なきゃ」というプレッシャーも大きかったという。
 それでも「今日の試合は今までで一番楽しかった。自分は全然だめだめだったけど仲間が支えてくれた。こんないい仲間がいるチームの主将ができてよかった」。何度も涙をぬぐいながら、そう口にした。(佐藤瑞季)
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 小2で野球を始めてから初アーチ。しかもチームを勢いづける満塁弾。「とにかくうれしかった」
 この日、かぶっていたのは兄が高校時代に使っていた帽子だ。つばの裏には「All is well」(万事順調)と書かれている。本塁打を放った後、スタンドに来ていた兄の方を見ると笑顔だったという。「甲子園に一歩近づけた。この調子で頑張ります」と意気込んだ。(佐藤瑞季)
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