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【石井裕也監督】パク・ジョンボムとしょんべん横丁で一緒に飲んだ時に話した、“痛み”にこそ真実が宿るというテーマが、本作の出発点でした。痛みを分かち合うことで人はつながれる、この新しい視点が本作の構想のきっかけになりました。
【パク・ジョンボム】“痛み”は誰もが持っているものですが、それをどのように表現するか、どのように伝えるかが、映画にとって重要だと思います。映画というものは、物事の意味を伝えてリアリティを求めると“面白さ”(ユーモア)が減ってしまいがちですが、石井監督の映画は“痛み”の意味をきちんと伝えつつ、ユーモアもある作品が多いので、ぜひ一緒に映画を作ってみたいと思いました。
【池松壮亮】僕もパクさんの“痛みにこそ真実が宿る”という言葉にはとても感銘を受けて、その後の自分の俳優活動でも大きく影響を受けています。
【石井監督】2019年の日韓関係が非常に悪い状態の中、チェ・ヒソさんにはこの作品に出演してくれたことを、改めて本当に感謝しています。
【チェ・ヒソ】私は、石井監督の作品、池松さん、オダギリさんの出演作品を何本も見ていましたので、この3人が韓国に来て映画を撮るという、とても面白そうな企画に、私もチャレンジしてみたい気持ちが強かったです。
 石井監督と初めてお会いした時、監督の目はとても鋭く、自分の映画や脚本に確信を持っている強い意志を持った人だと感じました。池松さんは本当に澄んでいる目をしていました。劇中の剛とソルの会話にもあったと思いますが、「目を見てるだけで、心の内がすべて分かってしまうような」感情を何度も受けました。それほど、池松さんの俳優としての力、目の力があったのだと思います。池松さんはこれまで一緒に演じてきたすべての俳優の中で、最も神秘的で、最も私に刺激を与えてくれた人です。
【池松】ラストの海辺のシーンのヒソさんの演技は本当に凄くて、これはぜひ劇場で観ていただきたいです。また、ヒソさんの1本の作品に対しての集中力の持続の仕方と、瞬発的な反応の仕方と、愛情の注ぎ方には本当に驚きました。
【パク・ジョンボム】韓国と日本の俳優が集まっているにもかかわらず、キャストたちのアンサンブルがとても自然で、みんなカメラの前で気を遣わずに演技をしていました。みなさん経験豊富で自分のオーラを持っているにもかかわらず、自分のオーラではなく、相手のエネルギーを上手く受け取って、調和することに集中していました。1テイク1テイクの息遣いをみても、誰が見ても自然で、これがこの映画の良い結果にしっかり表れていると思います。
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 本作は、妻を病気で亡くしたシングルファーザーの青木剛(池松)とひとり息子の学(佐藤凌)、そしてソウルでその日暮らしの生活を送る剛の兄、透(オダギリジョー)。元アイドルで売れない歌手のソル(チェ・ヒソ)とその兄(キム・ミンジェ)と妹(キム・イェウン)。ソウルから江原道(カンウォンド)へと向かう列車で偶然巡り合った二つの家族は、言葉が通じ合わないにもかかわらず、不思議な旅を共にすることに…。

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