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　京都大学名誉教授だった河合雅雄さんは、著書『少年動物誌』（福音館書店）で、丹波篠山での少年時代の記憶を次のように書いている。 　「『ゴロスケホー、ゴロットカエセ』…梟（ふくろう）の声は、留守番している夜など…淋しさがしんしんと体にしみこんでくるようだ。『ゴロットカエセ』というのが『死んでしまえ』といった意味にとれて、気持が悪くてならなかった」 　人が自然を畏敬し、人の力が自然には到底及ばないという自覚があった頃、その畏れの念は、人が必要以上に自然に踏み込まない境界線をつくっていたのだと思う。 　一方、女性の虫嫌いはエスカレートしている。都会生活で潔癖症になった母親世代から娘へ広がっている。ハエが飛んでいるのを見ただけで「虫、怖いー!」と泣きだす少女も。虫がい�

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