韓国大統領選　支持率トップの尹錫悦前検事総長、保守系最大野党入党

「国民の力」への入党を発表する尹錫悦前検事総長＝ソウルで7月30日（尹氏陣営提供）
　来年3月の韓国大統領選への出馬を表明している尹錫悦（ユンソクヨル）前検事総長が30日、保守系の最大野党「国民の力」に入党した。尹氏は今年3月、文在寅（ムンジェイン）政権が検察の力をそぐために進めた改革を批判して検事総長を辞任し、6月から「反政権」を前面に押し出した選挙戦を展開していた。尹氏は「国民の力が中心となって、政権交代を実現するしかない」と記者会見で強調した。
　世論調査会社リアルメーターが29日発表した調査によると、尹氏の支持率は27・5％で与野党候補の中でトップを走る。一方で尹氏には政治経験がないため、長丁場となる大統領選を戦うには全国的な組織力を持つ「国民の力」の後ろ盾が欠かせないと見られていた。
　同党は今月12日、大統領候補を決める予備選の立候補受け付けを始めた。今秋に選出する予定だが、現時点で尹氏が最有力と見られている。尹氏は「正々堂々と最初から予備選に参加することが、公正で正しく、党も（有権者から）広く普遍的な支持を受けられると考えた」と説明。尹氏に近い関係者は「早期入党を求める声が強かったことに加え、支持率の高いタイミングで入党すれば主導権を確保できるという判断もあった」と明かした。
　同党では、「脱原発」を進める文政権が決めた月城（ウォルソン）原発1号機の早期閉鎖プロセスのずさんさを指摘し、文政権を批判して辞任した崔在亨（チェジェヒョン）前監査院長も来月4日に出馬表明する見通し。崔氏は支持率5・5％で、同党内では尹氏に続いている。
　文政権を支える最大与党「共に民主党」内では、政府が国民に対し生活に必要な最低限のお金を無条件で給付する「ベーシックインカム」の導入を公約に掲げる李在明（イジェミョン）京畿道知事が支持率25・5％、「知日派」の李（イ）洛淵（ナギョン）元首相が同16％で「2強」を形成し、激しい公認候補争いを続けている。【ソウル坂口裕彦】
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