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搭乗客の靴の汚れを落とすスターフライヤー前社長の松石禎己さん=北九州空港で2021年7月1日午前8時32分、浅野翔太郎撮影
 新型コロナウイルスの影響を受け、利用客が減少している北九州空港(北九州市小倉南区、福岡県苅田町)で1日、午前6時55分の始発便を前に「靴の汚れ落としサービス」をする初老の男性の姿があった。記者にとっても見覚えのある顔。同空港を拠点とする中堅航空会社のスターフライヤー(北九州市)前社長、松石禎己(さだみ)さん(68)だ。なぜ、こんなところで靴磨きをしているのか――。
 「北九州空港にお世話になった恩返しがしたいだけなんです。お客さんが喜んでくれる、空港がそういう場であってほしい」。エプロン姿の松石さんは搭乗客の波が途切れたタイミングで、社長時代から変わらない低姿勢でそう切り出した。
 全日本空輸(ANA)を経て、2014年6月にスターフライヤーの社長に就任した。松石さんが社長を引き受けた当時、同社は30億円超の赤字を計上し、経営の立て直しが急務だった。ANAとの共同運航や資材調達の合理化などで再び黒字化を果たした。同時に大切にしたのが顧客満足度の向上だ。搭乗客への目配り、機内でよりくつろげる接客――。産学官でつくるサービス産業生産性協議会(東京)が過去1年間の利用者への調査に基づき発表している日本版顧客満足度指数調査の国内長距離交通部門では、10~19年に10年連続で1位の評価を受けた(20年は2位で、1位はスカイマーク)。
北九州空港で靴の汚れ落としサービスを無償で始めたスターフライヤー前社長の松石禎己さん=同空港で2021年7月1日午前8時12分、浅野翔太郎撮影
 20年春。この年の6月に松石さんが社長を退くことが決まった直後から、航空業界に新型コロナの感染拡大による最大の試練が訪れた。スターフライヤーも例外ではなかった。減便、欠航が相次ぎ、赤字額は松石さんが社長を引き受けた14年当時の倍以上に。企業の存続が危ぶまれる債務超過寸前まで経営が悪化した。ANAホールディングスや投資ファンド、地元企業などの資金支援を受けひとまず窮地をしのいだが、先行きが見通せない状況は続いている。
 1日朝、商談のため東京に向かう前に靴を磨いてもらった北九州市小倉北区の会社員、石井翔さん(37)は「手際も良く気持ちよく出発できます」。松石さんは20年6月の社長退任後、1年続けたスターフライヤー顧問の職も6月30日付で退任し、同社の経営から完全に退いた。この日着ていたエプロンは退職祝いに社員から贈られたもの。「航空業界は今、耐える時期だが、いつかまた良くなるはず」と復活を信じ、笑顔で客を見送った。【浅野翔太郎】
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