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 どう組んでもダブルスは苦しいと見て、シングルス4試合で3勝を狙う作戦。自動的に張本が2試合に出るオーダーになった。倉嶋洋介監督は「(準々決勝の)スウェーデン戦で張本の調子が上がってきたのが見えたので」という。
 左・左のペアが、予想を覆す寸前まで競り合いながら惜敗した後の2番シングルス。張本の相手は、ディミトリー・オフチャロフだった。世界ランク1位の経験もあり、今大会のシングルスで銅メダルを獲得したばかり。脂の乗った32歳は、変則モーションのサービスから重いドライブを打つ。張本は今年3月の国際大会で負けている。
 第1ゲーム、攻撃を待たれてカウンターを食らう場面が多く、7-11で失う。第2ゲームも1-6。この後だ。フォア前へ来た短いサービスを、バックで回り込んでストレートへ強烈なバックハンドレシーブ。一発で抜いた。ミスが出やすく、入っても返されたらお手上げの体勢。開き直りに見えた。
 続いてサービスエース。ドイツベンチがタイムアウトを取ったが、流れを渡さない。次は豪快な3球目ドライブを決めた。混合ダブルス決勝の水谷がそうだったように、これが決まると腕が振れ始める。逆転。9-7からジュースにもつれはしたが、11-11から得意のバックハンドとバックのレシーブエースで振り切った。
 第3ゲームは11-5と圧倒。第4ゲームは何度か勝ちを意識してもたついたが、9-9からまた攻めて突き放した。
◇謎のエアポケットで窮地に
 だが、第2ゲームで2-8からサービスエースや相手の裏をかく流し打ちが決まると、吹っ切れたようにスイングがシャープになる。落としはしたが9-11と競って手応えをつかんだ。
 第3ゲームは11-5で奪う。フランツィスカも食い下がり、第4ゲームは7-8、第5ゲームも7-9とリードされたが、張本のプレーは冷静だった。攻撃、つなぎ、反撃、守りの技術を的確に使い分け、フォアドライブも、取り組んできたコンパクトなスイングを続けて逆転。最後は10-9から相手のバックハンドがネットに掛かると、仰向けになって雄たけびを上げた。
 負けなかった。高速攻撃で圧勝するイメージとは違うが、これも本来の張本らしさ。それを五輪団体戦のエースとして発揮した。倉嶋監督は「2試合目は0-2になって焦ったけど、そこからまた張本らしいプレーが出てきたので、まだ挽回できるかなと思っていた」という。
 ただ、大逆転がやや興ざめするような舞台裏ものぞいた。フランツィスカ戦の第1、2ゲーム。相手が攻撃的だっただけでなく、張本の表情に2番の時のような気迫が感じられなかった。ベンチで活を入れたように見えた倉嶋監督は「ぼーっとして集中力が途切れていた」と明かす。
 張本自身は「オフチャロフ選手だけの対策をしていた。4番まで回せればいいなと思っていて。出だしで集中し切れなかった。0-2になってやっと、負けたら終わりだと気付かされて、間に合わないかと思ったけど、結果、何とか良かった」という。野球選手が時々カウントを勘違いするが、卓球の団体戦の勝敗となると、にわかには信じがたい話だ。
 ラスト5番で丹羽がオフチャロフに0-3で負け、張本の2勝も及ばず逃した2大会連続の決勝進出。水谷は「韓国戦も張本が2点取ってくれると思うので、僕たちが残りの1点を取りにいきたい」と、微妙なコメントを発した。
 何が起きていたのかはともかく、メダルを手にできるかどうか、最後の勝負が残す結果以上に、雄弁なものはない。張本は「メダルを取って、笑って終わりたい」と結んだ。(時事通信社 若林哲治)

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